こんにちは、絵楽(えら)です。
6月半ばから8月末までの2.5か月の間、故郷熊本を離れて一人、広島は宮島の宿泊施設で住み込みバイトをしておりました。
休館日も挟んだので、時期柄によっては連休もあります。
お客さん少ない時は開けても赤字なのか、商店街の一部の店舗や旅館もお休みしてしまいます。
宮島と言えば、厳島神社、大聖院、山に海にキャンプ場に、水族館。
食べ物で言えば牡蠣、あなご、もみじ饅頭。
色々あるはずなんですが、私はというとしょっちゅう船に乗って島を出ていました( ̄▽ ̄)
寮の部屋で玄米炊いて、納豆と卵と食べてたので、その食料の買い物とか。
生活の便利のために100均行ったりとか…あとはおいしいとこ探して食べに行ってたりとか。
島の中は観光地価格なので結構お高くて、休みのたびに何か食べるには高級すぎましたから。
島内で食べ歩くのは金欠には無理でしたが、部屋に籠ろうにも寮は建物古いし、壁はボール紙で閉塞感半端ないので居心地悪く、いてもたってもいられず飛び出していました。
最初はちゃんと、厳島神社にも何度か足を運びましたし、大聖院にも行きました。
豊臣秀吉の建てようとして途中で終わっている千畳間、一人で行ってちょっと後悔した宮島水族館、鹿さんのたくさんいる公園、お土産屋さんの並ぶ商店街、宮島歴史資料館。







島を出てから、おすすめのお好み焼き屋さんを教えてもらって食べたり。
普段は小麦食べないんですが、せっかく名物なら食べておこうかなと。
そして、現地でお店に入って初めて、そばかうどんを選べることを知りました( ̄▽ ̄)
広島風お好み焼きって、焼きそばしかないと勝手に思っていたので。
でも個人的には、うどんはキャベツを分離しちゃうのでそばがよかった。
…ちなみに、お好み焼き屋さんの店内にはキャベツの入った段ボール箱が山積みされていたのですが、しっかり側面に「熊本県産」と書かれていました。
熊本出身としては少し誇らしさも感じつつ、何故広島まで来て地元の野菜食べてんだという不思議な感覚にも襲われつつ、おいしくいただきました(笑)


…でも私が一番楽しみに、そしてたくさん足を運んだのは、なんと自転車屋さんでした( ̄▽ ̄)
そう、自転車屋さんのバイト辞めて、広島に飛んで住み込み始めたのに、まーた自転車屋さんの扉叩いて入り浸っていた訳です(笑)
片道フェリーで10分程度、電車に乗り換えて20〜30分でしょうか。
だいたい往復で交通費が700〜800円になるという、ちょっと痛い目を見ながらも出かけずにはいられなくて。
元々いた自転車屋さん…量販店でバイトしていた時には、傷だらけになって入荷したり、塗装の下にごみ巻き込んだ状態のまま送られてくる自転車をたくさん見てきました。
でも、自社で独自で作ってるやつなんて、結局このままどうにかして売るしかない。
けれどやっぱり、綺麗なものを気持ちよく買ってもらいたいのは当然ですし。
そこから、もし自分で塗装できるなら傷ついても綺麗に直せるのに…とか、これそもそも自分で作ってるんだったらもっと綺麗に作るのに…とか考えるようになってしまって。
それにお客さんに試乗してもらっているときも、既製品でサイズが微妙に合わないとか、乗れるやつがないとか少ないとか、色が好きじゃないとか、特定の層において選択肢がめっちゃ少ないとか。
そもそも小柄な私自身が、スチールでできた細身のまっすぐなやつ(クロモリのホリゾンタル!)欲しいってのがなかなか叶えられない時点で、不便は感じていたのですが。
そんなこともあって、自転車作る人にはなれないものか…??と思うようになっていました。
絵を描いたり、レジンでアクセサリーを作ってみたり、無から生み出すことにはやりがいを感じてきた私。
そして一度離れてみて即刻戻りたくなるほど、私って自転車大好きだったんだな(笑)ということも分かりましたので、どうにかして自転車って作れるようにはなれないものかと思ったわけです。
酷いときは開店から閉店までずーっと、私が居座っていた自転車屋さんは、スチールフレームのオーダーも受け付けているロードバイク専門のプロショップでした。
オーナーは私の父と変わらないくらいの歳の、めちゃくちゃ自転車に詳しい方。
一時期独走状態だった日本のパーツメーカー(今は倒産してしまってますが)に勤務していたこともあり、またプロのレースで機材(自転車)の整備をしていた経験もたくさんお持ちの方でした。
私が、「クロモリのロードに興味があって。作りたいんですけど何から勉強すれば…」みたいなことを初対面でぶっこんだにも関わらず、まずは自転車について知らないとね、と少し古い自転車雑誌を貸してくださいました。
私自身、本屋さんで自転車に関するものを探したことはあったのですが、これまた目当てのものが全く見つかった試しがありませんでしたので、これはチャンスとなめるように読みました。
…もちろん、今は販売されていない本でしたので、二度と読めることはなかろうと思いメモをとり、分からないワードはネットで調べつつ。
そして返却の時に、調べてもいまいち分からなかったことを尋ねて教えてもらって、またそれをメモに残す。
そんなこんなで、ルーズリーフの冊子がどんどん分厚くなっていきました( ̄▽ ̄)
お店に遊びに行くたびに、「これ何か知ってる?」「どうしてこうなってるか知ってる?」「どういう背景でこうなったと思う?」ってな感じで、私が今まで気にも留めなかったようなこととか、知らなったことをたくさん教えてくださいました。
知ってても、別に普段使うようなことじゃない、誰かに話すようなことでもない、無駄な知識。
でも自転車は命を乗せるもの、預かるもの。
自転車だけじゃないけれど、どういう経緯で今こんな作りになっているのか、昔のことを知っておかないとできないこともあるんだよと。
知らなくて困ることはあっても、知ってて損することはないから知識は持っておくべきだよ、と仰っていました。
ちょっと面白かったのは、私が帰るとなった時、「俺の無駄な知識を披露する機会がなくなる…」とぼやいておられたこと( ̄▽ ̄)
幸い、知的好奇心を追いかけることには全く苦痛を感じない私ですので、興味を持ったことはとことんのめりこめるタチです。
さすがに、書き込みすぎたルーズリーフを取り出した時には「何をそんなに書くことがあるの?!」とドン引きされましたが(笑)、それだけできるなら、いつか何かできる人になってるかもねとは言ってもらえました( ̄▽ ̄)
ただ結局、自転車作るっていうのは職人さんのお仕事ですので、弟子入りするしか方法はないんじゃないのか、という話でした。
もしパーツ作るところとかで働きたいのなら、今は台湾が世界の中心だから、中国語(広東語)勉強しないとね、とも。
東京に自転車の専門学校はあるのですが、職人さんの肝心な技術やテクニックは師弟で受け継がれていくものだから、そこまでは多分教えてもらえないだろうと。
自転車職人さんにもラーメンみたいに流派があるし、工房によっても得手不得手な分野はあるわけだから、どこで教わるのか、何を作りたいのかが明確でないとねと。
いろんな工房を見て話を聞いて回ったり、毎年やってるハンドメイドバイシクル展とかに足を運んでみるのもいいんじゃないかとアドバイスいただきました。
うーん、厳しい世界。
趣味の一環で自分のためにホビービルドするなら話は別ですが、仕事にするとなるとなかなか。
戻ったらとりあえず、また元のバイト先に頭下げてフルタイムで働かせてもらって、旅費貯めよう…と心に決めた私でした…
とにかく諦め悪くて執念深いので、よほどのことがなければ弟子入りの道を模索してると思います( ̄▽ ̄)
…とまあ、リゾートバイト中の休日の話をしていたのに、結局自転車の話にすり替わってしまいましたが、私はリゾバの募集画面に載ってるような休日は過ごしませんでしたね( ̄▽ ̄)
そもそも年齢の近い人がそういないというのもあり、同じ寮の人や一緒に働く人も、休日一緒にでかけるほどにはなかなかなりません。
友達と複数人で応募したとか、夏休み限定とか、そんな環境だったら少し違ったかもしれませんが。
とにかく、寂しくて一刻も早く帰りたかった私にとっては修行でしたので、休日はそれをどうやって紛らわすかでした。
プロショップに入り浸れる環境がなかったら、本当に途中で辞めて帰ってたかもしれません( ̄▽ ̄)
夏休みの宿題の絵日記みたいになってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。