魅力的な表情や雰囲気を出せるのが、口もとだ。
口は、歯以外は骨ではなく筋肉でできている。動けば伸縮して形が変化するが、なにもメタモンのように形を持たないわけではない。
唇は、上下で違う形をしている。
上唇は大きく三つのブロックに分け、真ん中のブロックが手前に向かって山を作っているようにとらえる。
私たちは、太陽や蛍光灯に照らされて上方向から光を浴びることが多いため、上唇は下唇に比べて暗く影が落ちる。
下唇も三つのブロックで考えていいのだけど、唇が厚い人は真ん中に線が入る。アンジェリーナジョリーみたいに(画像は引用)。
顔が向きを変えると、唇の見え方ももちろん変わる。図の二段目を見てほしい。図に戻る
右斜め前(こちらから見ると左斜め前)を向くと、上下とも奥に向かって急なカーブになり、手前側の唇はゆるやかなカーブを描く。横を向けば唇の周りの線は急勾配。境界線に向かって上下の唇が閉じていくようにカーブを描く。
上下の唇のなかでハイライトが入るのは、下唇のまんなか。よりつやを出すなら横長く、うるうるにしないなら唇の線の中に、白を入れてハイライトを描くといいと思う。
ハイライトといえば、唇の周りに光が入ることがある。光が入らなくても、よーく見ると赤くない唇の延長のような部分がある。
これは唇の稜線だ。唇も平面ではなく厚みのある筋肉。上唇の稜線は、鼻に向かって人中につながっている(鼻下の線)。下唇の稜線は、下唇直下の暗い影(オトガイ唇溝と呼ばれる)が直接触れてなければ演出できる。
それから、口角に影が落ちることがある。これは、口角にモダイオラスとよばれる凸があるから。モダイオラスより口角は沈んでいるので、影ができる。


面取りをすると、上唇と唇の下が暗いのが分かる。
唇を描く時に忘れてはならないのは、唇は歯のカーブに沿ってついているということ。
三つのブロックに分けると、カーブを忘れずに描きやすい。
また、笑おうがすぼめようが、唇の基本的な形・凹凸は変わらないので注意。

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