―皆さんはご存じだろうか。


上の画像をよーく見てほしい。黄色い枠が見えるだろう。
たかが面取りの人物画像なのに、
iPhoneで撮影すると顔認識表示が出るのだ。
目の形も、鼻の形もまともに描いていない。
なのに、顔認識マークが出る。
心霊現象?
…いや違う。
カメラは、『陰影』でこれを人物の顔だと認識しているということだ(たぶん)。
裏を返せば、陰影さえしっかり描けていれば、
多少パーツの形が歪んでいてもそれは人物だと認識されるということ。
逆にパーツをしっかり描いていても、
陰影が描けていないなら顔認識は出てくれない。
私の初期の作品はまさに後者だった
(恥ずかしい限りだが、以前の創作人物画は全部こんな感じだ)。
どれだけ色を研究しようが黄金比を学ぼうが、
カメラの顔認識は厳しかった。
他の写真などを参考にしながらどうにか描き進めていたものの、
一向に上達しないのだ。
だが、創作人物画を描くならば、
陰影の着き方は絶対に外せないポイント。
似顔絵を描くにしても、鮮明な画像なんて
ほとんど手に入らないのだから、理解は必須だ。
というわけで。
行きつけの文具屋でいいものを見つけたので、彼に手伝っていただこう。
彼はミニチュア石膏像のヘルメスくん。
高さ5~6cmの胸像。下を向いて哀愁漂う雰囲気だが、
研究には不向きな態勢なので、


手近なところにあったリモコン立て(かわいいでしょ笑)を使う。
…なんか笑える( ̄▽ ̄)
主な表記は、光源位置とヘルメスくんの向き、
そこからどこに陰影ができるのかという私なりの解説、一部推測。







~一言~
光源が真上にあると、パーツの下方に影ができやすい。
眉の骨の影が目の下あたりにでき、鼻の下の影、唇の下の影が濃く出る。ハイライトはおでこ(はげてねえよ)、次に明るいのが頬骨だろう。
まぶたやあご付近が明るいのは反射であろう(推測)。私は主にこの反射の部分を見落とし、顔認識されにくい人物画を描いていたのだ恥ずかしい。







~一言~
光源が真横(今回は左)だと、影は反対側(今回は右)にできやすい。
おでこと頬骨にハイライトが当たり、鼻筋は半分影になる。
鼻~目の下にかけてが最も暗くなりやすく(ヘルメス君は鼻高いからね)、
続いて小鼻、唇の下が暗くなる。
右側でも、あごのあたりは反射で明るい(推測)。







~一言~
光源が斜め上にある時は、真上と真横の間くらいの影ができる。
真上の時より右(今回は)が濃いが、
真横の時より左右差が少なく下方の影が目立つ。
私的・最もよく使う陰影だ。
おでこ、頬骨、鼻筋などが明るく、鼻~目の下と鼻下、唇の下が暗い。







~一言~
光源が後ろにあると、顔全体が暗く陰って見える。
いわゆる逆光というやつだ。
真後ろに設置すると本当に何も見えないので、後方斜め上あたりで撮ってみた。
一番の特徴は、上・横などではハイライトが当たっていた
おでこ、鼻筋が陰になること。
代わりに比較的明るいのは鼻や唇など
顔の前に突出している部分だ。
逆光で顔は正直描いたことがない。





~一言~
光源が正面の時は、自分のあらゆる影が後方に飛んでいき
全体的にかなり明るい。いわゆる女優ライトというやつか。
おでこ、鼻筋、頬、唇などが明るく、
その突出した分の影が最低限できるようだ。
テレビに映るモデルや女優、写真集なんか買ったら、この陰影はよく見るだろう。
いかがだったでしょう。
実はヘルメス君を描いた画用紙を撮影するときも、
たくさん顔認識が出てくれた。
創作人物画を描くときはもちろんだが、
この陰影は似顔絵を描くときにも役に立つ。
画像をいくらネットであさったとて、
必ずしも高画質な画像は手に入らない。
モデル女優俳優アイドルならばともかく、
スポーツ選手などは結構少ない(プレー中の写真が多いから仕方ないんだけど)。
1~2年前の私に言ってやりたい。……先に陰影研究しろよと。
その場しのぎで描いてきたツケが回ってきたんだな。
さあさあ伸びしろを改めて確認したところで。
最後まで御覧くださった方、本当にありがとうございましたm(__)m
今後何年後でもいいから、どなたかのお役に立てたらいいな^^